シェットランドウールのセーターをお店で目にすることが多くなりましたが、
実際どんな羊から採れた毛なのか、どんな特徴のある繊維なのか気になりますよね。
今日はそんなシェットランドシープとシェットランドウールについて書いていきます!
この記事を読んだらシェットランドウールが語れるようになりますよ!
シェットランドシープについて
シェットランドシープとは
シェットランドシープは羊の中でも最小の品種として知られていますが、その反面厳しい寒さや環境の中で長年生きてきたこともあり、とても頑丈で長寿、繁殖も良くどの土地にも順応できる飼育しやすい品種と言われています。シェットランド諸島の海に面した強い風の中では牧草があまり育たないため、牧草の代わりに海藻などを食料としてきました。
羊の中では珍しい品種改良されていない在来種で、春に毛の生え変わりがあります。
シェットランドシープの生息地について
- スコットランド(シェットランド諸島)
- カナダ
- 北米
原産国はスコットランドの北部に位置するシェットランド諸島です。
今から1000年ほど前に北欧のバイキングがスコットランドに持ち込んだ短い尾を持つ品種のルーツで、アクセスの悪い島国だけに残った貴重な品種です。他の土地に移動した短尾種は長尾種に改変されてしまったため短尾の羊はほとんど残っていません。
昔はシェットランド諸島のみ飼育されていましたが、カナダに輸出し今では北米でも飼育されています。
シェットランドウールの繊維について
シェットランドウールの繊維の長さ(繊維長)は?
平均繊維長:5cm~10cm
シェットランドウールの繊維の形状は?
他の羊の繊維と同じくウロコ状のスケールに覆われた単純な形状で、ウール特有のクリンプ(縮れ)があります。
シェットランドウールの繊維の太さは?
繊維の太さを業界用語で「繊度」といいます。これから先の繊維の太さは繊度と書きます。
シェットランドウールといえばチクチクするイメージがあるので繊度はかなり太めかと思っていましたが、意外と細いです。採れる部位によってもだいぶ差がありますが平均繊度はメリノウールに匹敵します。
平均繊度:23μm
首周り・肩→10μm~20μm
その他→25μm~35μm
首周りと肩の毛はカシミヤよりも細く本当かと疑ってしまいます。ちなみにメリノウールとカシミヤの繊度は下記の通りです。
・メリノウール:18μm~25μm
・カシミヤ:14μm~18μm
シェットランドウールの原毛の色は?
シェットランドウールの原毛の主要カラーは11色で毛の柄のパターンは30種類があり、パーツによって色が違うやブチ柄などパターンは多種多様です。
下に並べたリストが原毛の主要のカラーです。SHETLAND SHEEP SOCIETYからの引用ですが、なぜか12色ある!Shaela(ダークグレー)の2色を1色として11色ってことにします。
昔はこの色の豊富さを利用してフェアアイルニットの柄を染めない原毛だけで表現していました。
- Black(黒)
- Dark Brown(こげ茶)
- Emsket(青みがかったグレー)
- Fawn(若干赤みがかった淡い茶色)
- Grey(グレー)
- Light Grey(ライトグレー)
- Mioget(黄みがかった茶色)
- Moorit(赤みがかった茶色)
- Musket(淡いグレーがかった茶色)
- Shaela1(ダークグレー1)
- Shaela2(ダークグレー2)
- White(白)
1950年ごろ羊毛に似せたアクリル繊維をデュポン社が生産開始したことから、白以外の色の着いた羊毛が全く売れなくなってしまいました。そのためその時期は白以外の色付きフリースは捨てていたこともあったようです。
下の画像は柄のパターンのポスターですが、こちらも30種類ほどと言われているのに63種類も描かれています。主要パターンからさらに分類するとこのぐらいになるということでしょう!シェットランド諸島原産のシェットランドシープドッグとなんだか模様が似ている気がする。。羊と犬、同じところに住んでいると似てくるのかもしれない。
シェットランドウールの特徴は?
- 強い
- 油分が多い
- 柔らかい
- 暖かい
- 原毛の色が豊富
- 発色が良い
- チクチクする
厳しい環境の中で自らの身を守るためにも強く耐久性があり暖かい繊維であることが大きな特徴です。
シェットランドシープについて調べていると毛がとても柔らかいと書いてありますが、私の中では見た目はふわふわしているけどチクチクするイメージです。柔らかい?うん?と思いましたが繊度のところにも書いたように首や肩の毛はとても細いのでシェットランドウールと言ってもチクチクする固い毛とは一まとめに出来なそうです。
オーラリーの純血種から採れたピュアシェットランドウールを100%使用したセーターは繊度の細い毛だけを厳選して使っているので全然チクチクしないらしいです。触ってみたい。。
ちなみに油分が多い繊維でもあるので洗い方でもだいぶ肌触りが変わるようです。
シェットランドシープの毛刈りについて
採毛時期
年に1回、春に行われる。
採毛方法
・ハサミやバリカンで一気に刈る。
・または、メリノなどの品種改良された品種とは異なり毛の抜け替わりがあるため春の抜けるタイミングに手で毛を採るという採毛方法もあります。
成獣の採毛量
0.9kg~1.8kg / 1頭 (メリノ種は1頭から3kg-5kgほど採れる)
シェットランドシープは体が小さいため毛の量も少なめです。メリノ種と比べると半分以下の採毛量しかなく、とても貴重な繊維ということがわかります。
品種改良されていないため刺し毛(ヘアー)と産毛(ウール)の両方が生えています。なので産毛の量は採毛量からさらに少なくなります。
成獣の体重
オス:41kg~57kg
メス:34kg~45kg
成人の女性より軽い!身長は人間のヒザより少し高いぐらいで、思い描く羊よりはるかに小さいです。
一番良質の毛はどこから採れる?
首周りと肩の毛が一番細く良質でその次に背中→脇→脚の順で繊維が太くなり価値が下がっていきます。
●シェットランドウール知識チェックリスト
それでは上で学んだことを理解できたかチェックしましょう!
シェットランドシープの原産国について
スコットランドの北にある 諸島原産。シェットランドシープついて
シェットランドシープは品種改良されていない 種。シェットランドウールについて
繊維の長さは5cm~ cm。 繊維の形状はウロコ状の に覆われていて、ウール特有の (縮れ)がある。 平均繊度は μm。 原毛の主要色は 色。 毛の柄の主要パターンは 種類。採毛について
採毛は年に 回、春ごろに行われる。 成獣1頭から採れる毛の量は kg~ kg。 1番良質な毛は 周りと 採れる細い毛。上の説明を見て答え合わせをしてみて下さい!どのくらい正解できましたか!?
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