これだけ押さえればモヘアが語れる!アンゴラ山羊とモヘアについて徹底解説!

モヘアってふわふわしてて可愛い糸というイメージはあるけど、実際どんな動物から採れたどんな繊維なのか知らない人も多いはず。今日はそんなモヘアについて解説していきます。

この記事を読んだらモヘアが語れるようになりますよ!

モヘアとは?

モヘアは「アンゴラ山羊」の毛

モヘアは「アンゴラ山羊」から採れた毛の名称です。よくアンゴラうさぎから採れた毛と間違えてしまいますが、アンゴラうさぎは「アンゴラ」と呼ばれていますのでご注意ください。

モヘア→アンゴラ山羊の毛

アンゴラ→アンゴラうさぎの毛

ほとんどの繊維名は採れた動物の名前がついていますが、モヘアは「アンゴラ山羊」から採れた毛のことで、由来はアラビア語のmukhayyarで、古くからアンゴラ山羊の毛で作られた織物のことをモヘアと読んでいたそうです。mukhayyarの意味は色々調べているのですが確実なものが見つけられず、、辞書では「選択」や「選ぶの意」、ネット上では「最高の毛」と言っている方もいました。また見つけたら追記します。

モヘアの生産地について

主な生産地→
南アフリカ、米テキサス、トルコ、アルゼンチン

第2生産地→
オーストラリア、ニュージーランド

元々はヒマラヤやチベットなどの高地に生息していましたが、そこからトルコへ運ばれ独占状態で飼育されていました。他国へ輸出する際には全て去勢し繁殖できないようにしていたのですが、南アフリカに輸出したメスがたまたま妊娠をしていたことで繁殖に成功。それからはトルコ以外でも飼育されるようになりました。

今日では全世界の生産量のうち50%が南アフリカで採られています。その大半が東ケープ州のカローという乾燥した羊牧が盛んな地で飼育されています。

アンゴラ山羊とアンゴラうさぎ

先ほど間違えやすいと紹介したアンゴラ山羊とアンゴラうさぎです。アンゴラうさぎもトルコの首都アンカラ発祥とされ、アンゴラ山羊と似たような毛を持つうさぎとしてアンゴラうさぎと名付けられました。写真を見る限り毛が似ているとは思えないですね〜。。

アンゴラ山羊

毛がクルクルと癖っ毛でツヤがあります。

アンゴラうさぎ

ぬいぐるみみたいに毛がフサフサでストレートです。カワイイ〜!

モヘアの繊維について

モヘアの繊維の長さ(繊維長)は?

平均繊維長:●半年伸ばした毛→15cm
      1年伸ばした毛→30cm

アンゴラ山羊は毛の成長が早く、月に約2.5cm伸びます。そのため通常は年に2回毛刈りをしますが、トルコでは長く高品質の毛を育てるため年に1回だけ毛刈りをします。

モヘアの繊維の形状は?

モヘアはウールに比べてスケールのウロコが浅いため表面が滑らかです。そのため光沢があり、ほこりがつきにくいためインテリア用のテキスタイルにもよく使われます。

モヘアの顕微鏡画像

引用:GAIAネット

ウロコとの間隔が広く表面が滑らか。

ウールの顕微鏡画像

ウロコの間隔が狭く表面がボコボコしている。

モヘアの繊維の太さ(繊度)は?

繊維業界用語で繊維の太さのことを繊度(せんど)と呼びます。これから先は繊維の太さを繊度と書きます。

成獣の繊度:40μm前後

キッドモヘアの繊度:24μm~27μm

生後6ヶ月ぐらいの子山羊から採れる毛を「キッドモヘア」と呼んでいます。成獣の毛と比べるとだいぶ細いことがわかります。

繊度はメリノウールやカシミヤと比べるとかなり太めです。一般的に繊度が30μm以上だとチクチクしやすいと言われているので、成獣のモヘアを使ったマフラーやセーターはチクチクする可能性が高いと言えます。
ちなみにメリノウールとカシミヤの繊度は下記の通りです。

・メリノウール:18μm~25μm
・カシミヤ:14μm~18μm

1μm=0.001mm

フェレイラモヘアの繊度は??

フェレイラモヘアの繊度:18μm~22μm

そもそもフェレイラモヘアとは...

引用:俺のTailor

フェレイラ兄弟が経営するフェレイラ牧場のアンゴラ山羊から採れた毛のことをフェレイラモヘアと言います。長年品種改良を繰り返し繊度が18μm~22μmとモヘアでは考えられない細い繊維を生み出しました。フェレイラ兄弟は自分たちのモヘアが他のモヘアと混ぜて使用されることを懸念し取引する会社はとても慎重に選んでいるようです。生産背景がしっかりとわかる原産地証明付きの繊維としてブランドの価値上げ続けています。

モヘアの原毛の色は?

モヘアの原毛は長年「白」を基軸としてきましたが、色のついたアンゴラ山羊を積極的に繁殖させる協会が1999年に設立してからは色々な色のアンゴラ山羊が生まれています。

現在では大きく「白」「黒」「グレー」「シルバー」「ベージュ」「茶色」の6色に分けられています。全て色に濃淡があり、頭だけとか背中だけなど部分的に色の違うアンゴラ山羊もいます。

引用:singingfalls.com

カラーアンゴラ山羊ブリーダー協会のHPリンクです。英語なので読むのが大変ですが興味のある方は見てみてください。
↓↓↓

Welcome to CAGBA

引用:CAGBA HP

モヘアの特徴は?

引用:singingfalls.com
  1. 発色が良く染めた後も色落ちしにくい
  2. 毛足が長く通気性が良く動物繊維の中では夏向きの素材
  3. 繊維の表面が滑らかだからホコリが付きにくく汚れにくい
  4. 絹のような光沢がある
  5. 耐久性に優れ引っ張りにも強い
  6. 燃えにくい
  7. 繊維に弾力がある

汚れにくく耐久性があるということからインテリア用のテキスタイルにもよく使われるモヘアですが、阪急電鉄のシートにも使われています。指で文字が書けるぐらい毛足が長く、高級感があるということにこだわりを持って採用されました。他にはオペラ座の座席にも使われているようです。

アンゴラ山羊の毛刈りについて

引用:六甲山牧場

採毛時期

通常は年に2回、春と秋に行われます。

トルコだけは長く高品質の毛を採るため年に1回刈っています。

採毛方法

上の写真ではハサミで優しくカットしていますが、採毛用に飼育されている山羊たちは毛刈り業者によって強く押さえつけられ、時には手足を縛られながらバリカンで荒く毛を刈り取られています。2018年にアンゴラ山羊の毛刈りについて虐待が問題視されGAP、H&Mがモヘアの使用中止を表明、ユニクロも2020年までに中止すること決めました。

成獣の採毛量

4~5kg / 1頭 / 年間 (羊は1頭から2kg-10kgほど採れる)

アンゴラ山羊・モヘア知識チェックリスト

それでは上で学んだことを理解できたかチェックしましょう!

モヘアについて

モヘアは   という動物から採れる毛である。

モヘアの生産地について

モヘアの三大生産国は         

モヘアの繊維について

繊維の長さは1年伸ばすと   cmになる。

成獣の繊維の太さは約   μm。

キッドモヘアの繊維の太さは   μm~   μm。

ある兄弟が長年品種改良を繰り返し生み出されたモヘアの名前は    

原毛の色は長年  を基軸としてきたが、ブリーダー協会設立後は色が増え、今では大きく  色に分けられている。

採毛について

通常採毛は年に  回。トルコだけは  回。

成獣1頭から採れる毛の量は  kg~  kg。

上の説明を見て答え合わせをしてみて下さい!どのくらい正解できましたか!?

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