最近ペルー製のアルパカニットをよく見かけるようになりました。しかし羊と同様アルパカも刈り方に問題(虐待)があるようでユニクロでは2021年の秋冬より使用しないことが決まっています。このままいくと世の中から動物繊維がなくなってしまうのではないかと思ってきました。。
今日は『これだけ押さえればシリーズのアルパカ版』です。アルパカと繊維について解説していきます。
最後に知識が身についたか『アルパカ知識チェックリスト』を作りましたのでご活用ください!
アルパカについて
アルパカの生息地について
アルパカは南米のアンデス山脈の高地ペルーの南部からボリビア(海抜3,500~4,000メートル)にかけて、アンデス湿潤高原地帯で放牧されています。寒暖差が激しく厳しい環境下で暮らしています。
アルパカの種類について
アルパカはラクダ科のビクーニャ属またはラマ属に属し、種類は大きく分けて2種類です。
- ワカイヤ種 (Huacaya) ←「ファカヤ」とか「ワカヤ」とも呼ばれている
- スリ種 (Suri) ←「スーリー」とか「スーリ」とも呼ばれている
この2種類の割合は
・ワカイヤ種:85%
・スリ種:15%
大半がワカイヤ種!
ワカイヤ種
アルパカといったらこの種類!ふわふわとした綿アメみたいな見た目。毛はくせっ毛で短く、編み物にするとハリが足りないためクタッとしてしまいます。なのでウールや他の繊維と混ぜて使うことも多いです。
スリ種
これもアルパカ?と思うぐらいロン毛でワカイヤ種と雰囲気が違います。このスリ種は気難しく繁殖が難しいのでとても希少な種類。スリ種の毛はストレートで絹のような光沢があり、ワカイヤ種に比べ、光沢、ヌメリ、ハリコシ全てにおいて優れています。
アルパカの繊維について
アルパカの繊維の長さ(繊維長)は?
平均繊維長:7cm~12cm
アルパカの繊維の形状は?
アルパカ繊維のスケールは不明瞭で凹凸があまりありませんが、部分的にささくれのようにめくれているところがあります。繊維の内側中央部分に空洞があり温かい空気を溜められるため保温性に優れています。
アルパカの顕微鏡画像
うろこがよく見えず、ささくれのように表皮がめくれているところがあります。
アルパカの断面図画像
繊維中央部分に複数の空洞があり、ここに温かい空気を溜められます。
アルパカの繊維の太さは?
繊維の太さ:23.1μm~34μm(ベビー除く)
繊維の太さはメリノウールやカシミヤと比べると少し太めです。
・メリノウール:18μm~25μm
・カシミヤ:14μm~18μm
アルパカの繊維にもウールと同様「ベビーアルパカ」と呼ばれるランク?種類?があります。しかしウールのように生後数ヶ月の子アルパカから採れた毛ではなく、太さが21-23μmに当てはまる毛のことを言います。
ベビーアルパカは1頭から約10%しか採れず、その上のスーパーベビーアルパカになると1頭から1%ととても希少価値の高い繊維です。ベビーアルパカを含めアルパカの繊維は6ランクに分類されています。各ランクの太さを下の表にまとめました。
ちなみに1μm=0.001mmです。細いほど良質の繊維とされます。
ランク名 | 繊維の太さ(繊度) |
---|---|
Super Baby | ~20μm |
Baby | 20.1~23μm |
Fleece | 23.1~26.5μm |
Medium Fleece | 26.6~29μm |
Huarizo | 29.1~31.5μm |
Gruesa | 31.5μm~ |
アルパカの原毛の色は?
アルパカの原毛は大きく4色「ブラック」「ブラウン〜ベージュ」「グレー」「ホワイト」に分けられますが、ブラウンの中にもレッドブラウンやチョコレート、ライトブラウンなどがあり、主要カラーから枝分かれしていくと全部で25色以上のカラーバリエーションになります。下にまとめましたので参考にしてみてください。
アルパカ繊維の特徴は?
- 暖かい
- 軽い
- 燃えにくい
- 撥水性がある
- 美しい光沢がある
ウールとカシミヤには無い繊維内部に空洞があるので軽く、保温性に優れ「ウールの7~8倍の保温力がある」という説もあるようです。また、撥水性に優れ、燃えにくいという特徴も持っています。これは繊維に油分が多いからかもしれません。
アルパカの毛刈りについて
採毛時期
年に1回、春〜6月ごろに行われる。
採毛方法
バリカンで顔としっぽ意外の毛を一気に刈ります。上の写真は毛を刈った後のアルパカ。顔としっぽだけ大きくて体のバランスが面白い!
成獣の採毛量
3kg / 1頭 (羊は1頭から2kg-10kgほど採れる)
ベビーアルパカが1頭分の10%、スーパーベビーアルパカが1頭分の1%と考えると、、
・ベビーアルパカ:300g / 1頭
・スーパーベビーアルパカ:30g / 1頭
ぐらいということが分かります。ベビーカシミヤも1頭から30g前後採れるので、採毛量だけでいえばスーパーベビーアルパカはベビーカシミヤに匹敵すると言えます。しかし繊維の太さはベビーカシミヤが13μm~14μmでスーパーベビーアルパカが19μm~20μmぐらいなのでベビーカシミヤが圧勝です。
一番良質の毛はどこから採れる?
首周りの毛が一番細く良質でその次に背中→脇→脚の順で繊維が太くなり価値が下がっていきます。
●アルパカ知識チェックリスト
それでは上で学んだことを理解できたかチェックしましょう!
アルパカの生息地について
山脈の高地で放牧されている。アルパカの種類について
アルパカの種類は大きく分けて 種と 種。アルパカの繊維について
繊維の長さは7cm~ cm。 繊維の内側中央部分に がある。 繊維の太さはベビーアルパカを除いて μm~ μm。 原毛の色は大きく分けて 色。細かく分けると全部で 色以上ある。 保温性に優れ「ウールの 〜 倍」という説もある。採毛について
採毛は年に1回、春〜 月ごろに行われる。 成獣1頭から採れる毛の量は kg。 1番良質な毛は 周りから採れる細い毛。上の説明を見て答え合わせをしてみて下さい!どのくらい正解できましたか!?
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