キャメル色の生地やニットはよく見るけど、実際キャメルの毛を使った服ってなかなかお目にかかれないですよね。年間生産量はウールの生産量のたった0.14%にしか及ばないとても貴重な素材です。欧州では高級素材として知られています。
今日はそんなキャメル(らくだ)とキャメルの繊維について書いていきます!
この記事を読んだらキャメルが語れるようになりますよ!
キャメル(ラクダ)について
繊維用のキャメルとは?
キャメルとはラクダのことですが、繊維に使われる毛を持つラクダはフタコブラクダでその名の通り2つコブがある種類です。ラクダの毛と聞いて、ラクダって採れるほど毛が生えていたっけ?と思う方も多いかと思います。よく見るエジプトのラクダはヒトコブラクダで、毛が太く短いため繊維には使われません。
フタコブラクダ
ヒトコブラクダ
フタコブラクダの生息地について
- 内モンゴル自治区(中国)
- モンゴル
- チベット自治区
- イラン
- アフガニスタン
- ロシア
- ニュージーランド
- オーストラリア
上記の地域は家畜化されたラクダの生息地で、野生のラクダは中国北西部とモンゴルに生息します。野生のフタコブラクダは減少傾向で現在では絶滅危惧種として登録されています。
キャメルの繊維について
キャメルの繊維の長さ(繊維長)は?
キャメルの毛のことをキャメルヘアと言いますが、外側に生えている太く固い毛のことを「刺し毛」または「ガードヘア」と呼び、繊維に使用する産毛のことを「アンダーコート」と呼びます。それぞれの繊維長は下記の通りです。
ガードヘア(刺し毛):~40cm
アンダーコート(産毛):2.5cm~12.5cm
キャメルの繊維の形状は?
キャメルの繊維は多孔質繊維で繊維の中央に多くの穴が空いています。ラクダ科のアルパカの毛も繊維の中央に空洞があります。この空洞に暖かい空気を溜められるので保温性に優れています。
キャメルの繊維の太さは?
繊維の太さを業界用語で「繊度」といいます。これから先の繊維の太さは繊度と書きます。
キャメルは刺し毛と産毛が生えているため繊度の範囲が広く、採毛した毛はまず整毛機にかけられます。30μm~100μmまでの刺し毛を取り除き、細い毛だけを紡績機にかけて糸にします。
ガードヘア(刺し毛):20μm~120μm
アンダーコート(産毛):19μm~24μm
ベビーキャメルとは?
キャメルにもベビーキャメルと呼ばれる子ラクダから採れた毛がありますが、定義は定められていないため検査機関でも基準を満たす証明書の発行は出来ません。生後6ヶ月前後ぐらいと記載している方もいますが詳細はわかっていません。海外のサイトで繊維長と繊度を見つけましたのでご参考まで。
・ベビーキャメルの繊維長:5.5cm前後
・ベビーキャメルの繊度:16μm~18μm前後
キャメルの原毛の色は?
原毛の色は大きく2色キャメル色の黄みがかったブラウンとクリーム色に分けられます。ブラウンからクリーム色まで段階色はありますが、黒や白、グレーはありません。
クリーム色のラクダはとても希少で「ホワイトキャメル」と呼ばれています。ホワイトキャメルは20頭に1頭ぐらいの割合で、年間採毛量は約4~5トンです。
キャメルは染色に向いていないため原毛の色で使われることがほとんどです。
ブラウン濃淡
ベージュ
クリーム色
綿の状態で見るとこんな感じ。↓↓
ブラウン刺し毛
産毛に比べると固く張りがありゴワゴワしています。絨毯やベルトなど頑丈さを求める製品に使われます。
ブラウン産毛
フワフワしてて柔らかい内側に生えている毛。この産毛が被服に使われます。
ベビーキャメル
ホワイトキャメルのベビーキャメルです。とても柔らかく色もホワイトに近い綺麗な色をしています。
キャメルの特徴は?
- 吸湿性に優れる
- 発散性、放湿力が高い
- 柔らかく軽い
- 暖かく保温性に優れる
- 汚れにくくへたりにくい
繊維の中央にある空洞に暖かい空気を溜めることができるため保温性に優れ軽いことが特徴です。吸湿性が良く発散、放湿性にも優れるのでムレることがなく、その性質から下着にも使われています。
ラクダシャツとは?
ラクダシャツや股引きはこのラクダの毛を使用していたことが名前の由来です。とても暖かくムレないので冬には手放せないアイテムとして広がりました。今ではラクダの毛が希少になってしまったため、代わりにウールやカシミヤが使われています。
キャメルの毛刈りについて
採毛時期
採毛方法
抜け替わる時期に抜ける毛を手ですき採ったり、地面に落ちている毛を拾い集めたり、羊のようにバリカンでは刈りません。
成獣の採毛量
ちなみにメリノ種の羊は1頭から3kg-5kgほど採れます。体の大きさにしては少ない毛量です。
成獣の体重
軽トラックが690kgぐらいなので大きいラクダは軽トラと同じぐらいということになります。そしてメリノ種の羊は35kg~115kgぐらいなのでラクダってすごく大きいですね。
●キャメル知識チェックリスト
それでは上で学んだことを理解できたかチェックしましょう!
キャメルの生産国について
家畜化されたラクダは中央アジアを中心に数国で飼育されていますが、野生のラクダは 北西部と に生息しています。キャメルついて
ラクダは大きく2種類に分けられますが、繊維に使われる毛を持つラクダは ラクダです。キャメルの繊維について
産毛の繊維長は2.5cm~ cm。 ウロコ状の に覆われていて、繊維の中央に多くの空洞がある 繊維です。 平均産毛繊度は μm~ μm。 原毛の色は大きく分けて と 。 ホワイトキャメルの割合は 頭に1頭。採毛について
採毛は から にかけて行われる。 成獣1頭から採れる毛の量は約 kg。 成獣の体重は kg~650kg。上の説明を見て答え合わせをしてみて下さい!どのくらい正解できましたか!?
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